約 2,308,097 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2158.html
ウサギのナミダ ACT 1-28 ■ マスターは家に帰るまで、ずっと無言だった。 胸ポケットの中で、やっと落ち着いたわたしは、マスターの顔を見上げる。 マスターはいつも真剣な表情の人なのだけれど、なにかいつも以上に脇目も振らない様子だった。 すでに夕闇が迫っている。 足早に帰宅を急ぐ。 マスターが何をそんなに急いでいるのか、このときのわたしにはまだ分かってはいなかった。 家に着いて、マスターがまずしたことは、わたしをクレイドルに座らせることだった。 わたしは素直にクレイドルに座った。 わたしは少し沈んだ思いで、マスターの指示を待つ。 今日のわたしを、マスターはどんな風に思っただろうか。 雪華さんとの試合の後、なし崩しに騒ぎになってしまって、マスターとお話する時間もなかった。 あの時、わたしは感情の高ぶるままに言葉を口にした。 そんなことは初めての経験で、今のわたしは自分の行動にとても驚いている。 マスターはとても驚いていた。でも、わたしは言葉を止めることができなかった。 分かってもらいたい、それを伝えなければいけないと思うほどに、強い想いだった。 それは後悔していないけれど。 マスターがどう思ったのか、それだけは気がかりだった。 マスターは、カップに飲み物を入れて、机の前へとやってきた。 いつものようにPCの電源を入れると、椅子に腰掛ける。 クレイドルに座るわたしと向かい合う格好になる。 カップを机におく。 そして、軽く吐息をついた。 「さて……どこから話そうか、考えていたんだが……」 マスターはいつものように、真っ直ぐわたしを見た。 だけど、無表情じゃない。 どことなく優しげな、落ち着いた表情で、でも瞳にはなにか決意のようなものを秘めているように見えた。 「ティア……お前に分かるかな……どうしても欲しいものが、どうしても手に入らないときの苦しみってやつが」 え? マスターは何を話しているんだろう。 わたしは目をぱちくりとさせて、マスターを見る。 マスターはあまり表情を変えないまま、優しい口調で、ゆっくりと話し始めた。 「俺はもうずっと……お前と会うずっと前から、武装神姫のオーナーになりたかった。 バトルロンドを始めたくてな。 神姫に興味を持ったのは、お前も会ったことのある、海藤とアクアを見てからだ。 ……そうだな。今回の件の報告も兼ねて、今度会いに行くか。 海藤とは高校の頃から仲が良くて、違う大学に進学しても、よく会ってた。 もっぱら俺があいつの家に行ってたんだけど。 そのたびに、海藤とアクアの仲の良さを見せつけられてな……俺だけじゃなくて、他の友人たちも神姫に興味を持ったというわけさ」 マスターは独り言を言うように話を進めていく。 これは……この話は、マスターの本当の想い……。 「それからずっと……探していたよ、俺の神姫を。 友達が次々と神姫のオーナーになっていく中で、俺は神姫を迎えられずにいた。 あちこちのショップにも行った。 神姫センターにも行って、バトルロンドの観戦もしたし、そこで興味が出た神姫のパッケージも手に取った。 新発売の神姫の情報はくまなくチェックした。 メーカー展示会に気になった神姫を見に行ったりもした。 ネットオークションで安く出回ってるパッケージ品もチェックしたし、ネットショップの掘り出し物も何度もチェックした。 ……海藤の家でアクアを見てから、お金を握りしめてホビーショップに行ったことだって、一度や二度じゃない。 それでも……それでも俺は、神姫を買うことに踏み切れなかった」 マスターの寂しそうな表情。 その時の気持ちを、思い出しているのだろうか。 「なぜ、ですか?」 わたしは尋ねた。 もちろんその時に、マスターが神姫をお迎えしていたら、わたしは今こうして、マスターと話をしていることもないのだけれど。 「どうしても……納得が行かなかった。 どの武装神姫のパッケージを手にしても……これが俺の神姫だって、思えなかった。 だから、どんなに神姫マスターになった友達が羨ましくても……俺は神姫を迎えられなかったんだ。 どうしても、自分が心から納得の行く神姫がほしかったんだ」 マスターはわたしを見つめながら、かすかに苦笑した。 「その頃の俺の気持ち……分かるかな……。 武装神姫のオーナーになりたくてなりたくて……狂おしいほどに神姫が欲しくてさ。 そのくせ、どこを探しても、自分の神姫が見あたらないんだ。 すでに発売されているものなら、探しようもある。プレミアついていたって、お金を出しさえすれば手に入る。 でも……この世にいるかどうかもわからない『自分が納得の行く神姫』を探すなんて……雲を掴むような話だ。 探して探して……必死で探しても見つからなくて……あの何とも言えない、焦りというか渇きというか……そんな、胸をかきむしりたくなるような焦燥感が、いつも心にあってさ……。 神姫の情報を集めたり、見たりするのは楽しいのに、それが欲求を逆撫でして苦しくなるような……そんな感覚に苛まれる。 友達はみんな神姫マスターになって、楽しそうに、幸せそうにしていてさ。 それで俺はまた焦りと羨ましさにかられて……その繰り返しさ」 マスターは自嘲するように笑う。 ……知らなかった。 マスターが武装神姫にそんなに強い想いを抱いてたなんて。 わたしは呟くように話すマスターの顔から、目が離せなくなっている。 「……あの夜……お前と出会ったあの夜、俺は飲み会の帰りだった。 気心知れた仲間たちとの飲み会だったんだけど……俺はちょっと機嫌が悪くなった。 神姫マスターになった連中は、口をそろえて言いやがる。 『そんなにこだわって選んでないで、とりあえずお迎えしてみればいいじゃないか』ってな。 連れてきた神姫と笑いながら……そう言うんだ。 腹立たしかったよ。 とりあえず、ってなんだよ。大切なパートナーを選ぶのに、こだわるのが当たり前だろう。 でも結局、俺は神姫マスターでない時点で、仲間たちの言葉に反論もできなかった。ただ、苦笑するしかなかったんだ」 そう言うマスターの表情は、少し悔しそうだった。 その時の感情を思い出しているのだろうか。 そして、マスターは言った。 「その後で……お前に出会ったんだ……」 ものすごく、安心したような、優しい顔をして。 見たことない、そんなマスターの顔。 わたしはかえって緊張してしまう。 「ゴミ捨て場で、あいつが……井山が何か悪態ついて捨てたのを、たまたま見かけたんだ。 ゴミのポリ袋の上でうめいていたのがお前だった。 見た瞬間に『ああ、これが俺の神姫だ』って思った。 当たり前みたいに……いや、衝撃的だったかな。どうだろう。 ただ、これが運命なんだって思ったんだ。 ……いや、違う。格好つけすぎだな。 たぶん、お前に、一目惚れしてしまったんだ」 照れくさそうに笑うマスター。 今日のマスターはいつもと違う。 まるで菜々子さんと話すときのように、くるくると表情が変わる。 「それでお前を連れて帰ってきた。 クレイドル買ってきて、充電して、メンテナンス用のソフトをPCにセットアップして……舞い上がっていたと思う。 俺の神姫がやっと手元に来た、ってな。 お前の記憶を見て……俺も一瞬ひるんだ。それでも、お前を自分の神姫にしたい気持ちは変わらなかった。 これが運命でなくて何だ、って思ったよ。 ……そしたらさ、目覚めたお前が言うんだよ。 『わたしをお店に戻してください』 って」 ……あ。 思い出した。 あの時わたしは、自分のマスターになりたいというこの人に、そう願ったのだ。 あの時、マスターはわたしにものすごく怒ったけれど。 わたしはなんで怒られるのか、よくわからなかったけれど。 いまなら分かる気がする。 「そりゃないだろ。 俺はやっと、やっとの思いで自分の神姫を見つけだしたって言うのに、地獄のような場所に返してください、じゃあさ……。 そりゃあ怒りもするさ、俺でも。 どうしても諦められなかった俺は、お前を言葉で丸め込んだ。 お前が武装神姫になりたいかどうかなんておかまいなしで……俺が望む戦闘スタイルを押しつけた。 さんざん練習させて、つらい思いもさせた。 お前が俺のところから逃げられないのが分かっていて、そんなことさせていた」 マスターの言葉に、何か違和感を感じる。 わたしは……武装神姫になりたくなかった? マスターが望む戦闘スタイルが嫌いだった? 練習は、つらかった? マスターのところから逃げ出したかった? ちがう。 ちがいます。 わたしの想いとマスターの考えはすれ違っている。 マスターは無理矢理わたしを武装神姫にしたというけれど。 わたしがそう望むのなら、それは、無理矢理ではないんじゃないですか? 「……それでも、俺は嬉しかったんだ。 自分だけの神姫と、俺たちだけの戦闘スタイルで、バトルロンドを戦えるのが。 夢が叶った、と思った。 久住さんや仲間たちにも出会えた。ゲームセンターで過ごす時間は……バトルロンドをプレイしている時は、本当に楽しかった。 そんな時間をくれるお前に、ずっと、感謝していたんだ。 でもな……心の底ではずっと思っていた。 本当は、俺の楽しみのために、ティアを無理矢理戦わせているだけなんじゃないか、って。 お前の自由を奪って、自分だけ楽しんでいるエゴイストなんじゃないかって」 「そ、そんなこと……ありません!」 わたしはついに口を出してしまった。 マスターの話を遮ってしまった。 臆病な心が、顔を覗かせようとするけれど。 でも、わたしは勇気を出して、言う。 声が震えててもかまわない。 言わなくちゃ。 だって、マスターは間違っているから。 「わたしも……わたしも幸せでした。 薄暗いお店しか知らないわたしに、世界を教えてくれたのはマスターです。 わたしが知らなかった気持ちを……楽しい気持ちも、嬉しい気持ちも、風の心地よさとか、友達の優しさとか、技を自分のものにできたときの喜びも……全部全部、マスターがくれたんです」 こんなに幸せでいいのかって、今でも思ってる。 マスターは少し驚いたような顔をしていた。 「……そうなのか?」 「そうですよ」 「それなら……お前がそう思ってくれるなら、俺も救われるよ。 俺はこの間思ったんだ。 ……もし、バトルロンドができなくなったとしても、お前が走ることができれば、それでお前が喜んでいるのなら、それでいいって。 何より大事なのは、お前がそばにいてくれることだってな」 ほっとした表情で、そんなことを言った。 やっとわかった、マスターの本当の気持ち。 でも、わたしは以前から疑問に思うことがある。 「あの……」 「なんだ?」 「ほんとうに……ほんとうに、わたしなんかでいいんですか」 「わたしなんか、って言うな」 いつもの言葉。 でも、厳しいところは、表情にも口調にもなくて。 優しく微笑んでいる。 わたしに向かって。 「お前じゃなきゃ、だめなんだ」 ……ああ。 さっき言っていたマスターの気持ちが、いま、少しだけわかった気がする。 欲しくて欲しくて、それでもどうしても手に入れられないもの。 わたしにとって、それは、マスターの笑顔だった。 いま、このマスターの笑顔こそ。 わたしがずっと、欲しくて欲しくてやまなかったもの……。 「でも……わ、わたしは……マスターに、とんでもない迷惑をかけてしまって……」 「迷惑なんて、いくらでもかければいい。それでもいいんだ」 「じゃ、じゃあ……手の甲をわたしに差し出すのは……?」 「お前、掴もうとすると怖がるだろ」 「……わたしの前で、表情を変えないのも……?」 「なんだ、気がついていたのか? 俺が表情を変えなければ、お前が不用意に怖がらなくてすむだろ」 やっぱり。 無表情のことは、この間、やっと気がついたのですけど。 マスターは照れくさそうな顔をして、頭を掻いた。 「まあ……俺は元々、仏頂面だからな……」 「で、でも……マスターとわたしは、毎日顔を合わせてました。 それなのに……ずっと無表情でいるなんて……」 「そんなの、お前が俺の神姫でいてくれるなら、大したことじゃない。 いつかお前が俺のことを心から信じてくれたら……そうしたら、掴むことも許してくれると思ったし、笑いあうこともできるって……信じていた」 そんな……。 「わたしは……ずっとマスターに笑って欲しいと思っていました」 「そうなのか?」 「そうですよ」 マスターは苦笑する。 「そうか……俺たちはお互いに、お互いの笑顔を見たいと思いながら、ずっとずっと遠回りしてきたんだな……」 「……そうですね」 「なぁ、ティア……」 マスターは不意に真剣な表情でわたしを見た。 真っ直ぐな視線。 この人は真っ直ぐにわたしを見てくれる。初めて出会ったときから、ずっと。 「俺の神姫で……いてくれるか? 俺はバトルロンドを続けたいけど、お前が嫌だというならそれでもいい。 こんなわがままで情けない男でも、マスターと認めてくれるか?」 ……どうしてそんなに自信なさげなんですか? もう答えなんて、決まりきっていることじゃないですか。 それをはっきりと伝える方法を、わたしは思いついた。 「マスター。手のひらを出してください」 「……? こうか?」 マスターは怪我をしていない方の左手を、手のひらを上にして、わたしの前に出した。 わたしはクレイドルから立ち上がり、マスターの手に歩み寄る。 そして、その手の上に腰掛ける。 ちょっと緊張したけれど、何も怖いことなんてなかった。 この人を信じているから。 マスターの親指に顔を寄せて、キスをした。 「これは……わたしの誓いです」 顔を上げて、マスターを見る。驚いてる。 わたしはうつむいてしまう。 マスターの顔、まともに見られない。いまさら、とても恥ずかしくなって。 「わたしはあなたの神姫です。 わたしのマスターは、世界でただ一人、あなただけだと……誓います」 マスターの手はあたかかくて、心地いい感じがした。 もう一度、マスターを見る。 わたしの顔はこれ以上ないほど赤かったかも知れないけれど。 マスターも、とても照れくさそうな顔をしていた。 やがて、見つめ合うわたしたちは、どちらからともなく笑い始めた。 マスターと初めて心から笑いあえた。 ああ。 わたしが一番欲しかったものが、今ここにある。 長い長い一日の果てに。 わたしは、本当の意味で、遠野貴樹の武装神姫になった。 次へ> トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2863.html
中学を卒業し、春休み兼高校への準備期間といったところの3月。 卒業後の3月というのは夏休み並に長い休みとなり、宿題もないため基本的に卒業生は皆遊び呆ける期間ということになる。 「ゲーム『グラディウス』でプレイヤーが操る……ビックバイパー、と……」 そしてその時期にこの少年は学校の準備など忘れ、ゲームセンターでクイズゲームにかまけていた。 「……あっ」 『残念だけどここでお別れだー、また会おう!』 画面の中の先生から告げられる予選敗退の言葉。 『こんな時だってあるさ! さあもう一度!』 「……悔しいけど仕方ないか」 荷物を纏め、ゲームセンターから退店しようとする。 が、そこで少年はある人だかりを目にする。 「……?」 人間、人だかりがあると寄ってみたくなるものである。 少年もその例にもれず、その人だかりの方へ行く。 「何かな、この人だかり……?」 少年は同年代の少年達と比べると背が高い方であり、すこし背を伸ばしただけで人だかりの向こう側は見ることができた。 「ん……」 もう少し背を伸ばすと、人だかりの中心にある筐体に書かれた文字が目に入った。 「……武装神姫?」 どうやら筐体の中で少女たちが戦っているようである。 が、それ以上は事前情報も何もないため分からなかった。 「何をしている?」 「えっ?」 背伸びの最中に少年は声を掛けられる、振り返ってみるとそこには友人の顔があった。 「……櫻庭君?」 少年の友人の名前は櫻庭(さくらば)遊理(ユウリ)。 少年の一番の親友で中学までは一緒であったのだが、高校は別々となってしまったので、日常的に会うことはなくなってしまうのである。 無論、今のように地元で会うことは多いのであろうが。 「いや、人だかりができてたから…… でも奇遇だね、こんな所で何をしてるの?」 「いやまあ……ちょっとな。 お前は……」 「まあ、いつも通りマジアカをちょっと……」 マジアカ、コナミのクイズゲーム、クイズマジックアカデミーの略である。 「「「おおおおおお!!」」」 そんなことを話していると、人だかりの方から歓声が沸く。 「……何?」 「悪いな、通してもらえるか?」 「ああうん……え? 櫻庭君って……えっと、この人だかりができてる何かに興味があるの?」 「ん……まあな」 『マスター、もう付いたのか?』 「ああ、いや……」 遊里のバッグから、褐色肌の小さな少女が顔をのぞかせた。 「……なにそれ?」 少年は少女をみて、おそらくこの少女の所有者であろう友人に聞く。 それに対し友人ははぁ、とため息をつい少年に話した。 「武装神姫、聞いたことないか?」 「ええと、な……」 ない、そう即答しようとする。 しかし少年は以前、どこかで武装神姫という文字を見たことがあるような気がした。 が、思い出すことはできなかった。 「どうした?」 「いや……ないよ、聞いたことは」 聞いたことはない、嘘は言っていない。 見た気がするだけなのだから。 「そうか、まあ……簡単にいえば、着せ替えて戦うロボットアクションフィギュアだ」 「へえ……ロボットなの?」 少年は遊里のバッグから顔を出している小さな少女の方を見る。 「じゃあ、この子も?」 体を屈めて、少女に顔を向ける。 『マスター、誰だこいつ?』 「俺の友人だ、後で紹介する」 「すごい、喋った」 最近のロボットの技術はここまで進歩していたのか、と少年は感心する。 「……でもなんか、高そうだね」 「まあ、ちょっといいパソコンが買える程度の値段はするな」 その「ちょっといいパソコン」を持っている少年からすると、その値段は容易に想像できた。 「……良く買ってもらえたね」 「まあ、合格祝いにな」 『マスター、そんな事話してていいのか? 終わっちまうぞ!』 「ああ、そうだな。 そうだ、お前も見ていくか?」 「いや……いいよ、今日は日が悪いや」 マジアカを折角プレイしに来たものの、予選敗退となり少々落ち込んでいるようである。 「そうか、ならいいさ。 劫火、行くぞ」 『おう!』 遊里はその少女と共に人ごみの中へ消えていった。 「……武装神姫、か」 (そう、僕はこの時、こんなものに興味は持っていなかった。 ……かわいいとは思うけど、数ある萌えキャラ系コンテンツの一つだと思っていた。 でも、この後あらゆる意味で意外な形で、意外な広い交友関係を持ち、意外な事件に巻き込まれていくことになるなんて…… 今の僕には、知る由もなかった) 「ただいま」 少年は帰宅早々、誰もいない家に告げる。 この少年の親は共働きであり、あまり家に帰っては来ないのである。 「ん?」 見慣れない箱が届いている。 「……なんだろう、これ」 そう言いながら箱に書かれている商品名を見る。 「え……」 今日3月26日は予約していたゲームの発売日、 コ○ミスタイルでの予約なので、今日はお届けの日、ずっと待ちわびていた日であった、筈なのだが…… 「……ああ、そうか。 今日はもう26日だったか……」 ずっと前に予約していたのだが、受験等いろいろあって忘れてたようである。 「『ハヤテのごとく!! ナイトメアパラダイス豪華版』。 本当に何故かかなり高かったけど……」 そう、この少年はハヤテのごとく!の大ファンである。 ハヤテのごとく!の主人公、『綾崎(あやさき)ハヤテ』の姿に憧れたのがきっかけでその作品を愛するようになったのである。 もっとも、この少年をオタクの世界へ橋渡ししてしまった作品でもあるのだが。 「……なら、さっそく!」 少年は予選敗退で落ち込んでいることも忘れ、その箱を抱え階段をものすごい勢いで駆け上がる。 二階の自分の部屋の扉を開けると、机の上のPSPを持ち出してベッドの上に座り込んだ。 「PSPよし、充電器もよし、箱の状態もよし……」 さながら一世代前の教習所のビデオのようにわざとらしく指差し確認をする。 「それにしてもゲームソフトにしては大きな箱だな。 それだけ特典が豪華なのかな……やっぱり、凄く高かったし」 特別版ということは、予約特典、早期購入特典が多数付いているということである。 彼は特に特典の内容は気にせず、コナミスタイル販売限定の一番高い物をとりあえず予約したのだ。 『ハヤテのごとく!』の大ファンという理由だけで。 「……それじゃあ、オープン!!」 満を持してその箱を開け。 「うぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」 中身を確認し、必要以上のリアクションをとる。 「おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ…… ……え?」 箱の中身を見た彼は必要以上のリアクション以上に驚きを隠せない様子を見せた。 何かが足り無かったわけでもなく、内容がそれほどでもなく拍子抜けしたわけでもない。 その中に、予想外の物が入っていたからだ。 「これって……まさか?」 箱の右側に収まっているゲームソフトへの興味はどこへやら。 左側に収まっている箱を手に取り、上下左右裏表、箱の外装をすみずみまで見回し、彼は静かに口を開く。 「武装……神姫?」 それはまぎれもなく、武装神姫だったのである。 「このパッケージ絵って……」 金髪ツインテール、ツリ目のライトグリーンの瞳。 そして、白皇学院の制服を模したカラーリングの素体。 少年にはそれに描かれている少女が誰か、一目で分かった。 「ナギ……?」 ナギ、ハヤテのごとく!のメインヒロインの名前である。 その武装神姫のパッケージに描かれていたのは、ハヤテのごとく!のヒロイン、三千院(さんぜんいん) ナギその人だった。 「武装神姫……ナギ……!?」 驚きのあまり、再び声が出なくなった。 そして、ようやく理解した。 ナギのフィギュア付属が付属するというコナミスタイル販売限定豪華版だけが、異常に高かった理由が。 「ちょっといいパソコンが買える値段」である、武装神姫が付属するのならば、それは高くなるわけである。 そしてこの時やっと思い出したのだ『武装神姫』という単語をどこで見たのか。 その場所は、彼がこの度予約したゲーム、『ハヤテのごとく!!ナイトメアパラダイス』の公式サイト及びコナミスタイルに書いてあった、 『コナミスタイル「武装神姫ナギ」付き豪華セット』という文字だったのである。 「……」 彼はゲームは基本初見プレイ派なので、公式サイトには通わなかったために、ゲームの予約以来目にすることがなかったのだ。 「……これでいいのかな? よくわからないけど……」 待ちわびていたはずのゲームソフトには手をつけず、ナギの箱を開封し、起動に手間取っている彼の姿がそこにあった。 やっとのことで設定は終わり、あとは起動させるだけである。 『お嬢様型ナギ。 セットアップ完了、起動します』 「え……もう? 起動するの? 本当に?」 驚いているうちに、その少女は金髪のツインテールをなびかせ、ライトグリーンの瞳を開きながらゆっくりと起き上がる。 『ん……』 その少女は目を閉じて背伸びをした。 「わぁ……!」 『……おぉ……お?』 その金髪ツインテールの小さな少女は眠たげな目こすりながら、『マスター』の方を向く。 「う……動いた……!!」 『……当然だ、動くぞ、神姫なのだから』 「……そ、そう、だよね」 聞きなれているツンデレ系ヒロインの鉄板である釘宮理恵ボイスが部屋に響く。 今さっき起動した金髪ツインテールの少女がツンデレボイスで、マスターだけに話しかけている。 アニメのように『綾崎 ハヤテ』やその他キャラクターや、全国の視聴者に向けてではなく。 (ナギが僕だけに話しかけてくれている) 感動で胸が打ち震えた。 事前情報がなかった分、特に。 『……問おう。 お前が、私のマスターか?』 「え?」 ハヤテのごとく!特有のジト目を少年に向けながら、別のアニメの名台詞を言う。 二人称は変わっているが。 「……はい、かな?」 『……おい、もうちょっと乗れよ』 「い、いや、あのアニメは見てなくて……」 『途中で切るなよ、アニメは自ら全て見て初めて評価をするのだ』 「……ごもっともです」 別に視聴を切ったわけではないが。 『む……』 少女渾身の目覚めのあいさつを躱されたせいか、少女の顔が明らかに不機嫌になったのが分かった。 『なんだか、あまり歓迎されていないように感じるのだが。 なんだ? もしや転バイヤーか? 起動して問題がなかったらリセットして売り飛ばすつもりか? ならば残念ながら未開封のほうが高かったと思うぞ』 「い、いや、生まれてこの方僕は転売なんてしたことないけど」 この少年はダブったトレーディングカードを売ったことすらないのである。 「その……驚いたから」 『驚いた?』 「うん……神姫を手に入れるつもりなんてなかったから…… まさか、ゲームの特別版の特典で付いてくるなんて」 『……なんだ、公式サイトを見ていないのか? ちゃんと神姫ナギが付属すると書いてあったと思うのだが』 「……はい、確かに書いてあったんですけれども」 公式サイト及びコナミスタイルで予約時に二目見て以来今まで忘れていた、とは言えないわけである。 「その、僕予約の内容とか気にせずに予約するから」 『……』 その言葉を聞いて、少女は顔を背ける。 『それでは私が傷つくではないか……』 「え、え?」 『だってお前は、私を心からは必要としていないんだろう?』 神姫というものは基本的には買った人に必要とされているからこそその人の下へ行くのであるが、 この少年の場合は『武装神姫ナギ』が付属することを知らなかったわけである。 捉えようによっては、必要とされていない、とも感じてしまうかもしれない。 「そ、そんなことないよ! えっと……お、お嬢様?」 『ん、お嬢様?』 「だって君はナギなんでしょ? だからお嬢様」 この神姫である少女の元となった人物、ハヤテのごとく!のヒロイン、三千院 ナギは圧倒的材力を持つお嬢様、という設定である。 『あぁ、そういえば設定がまだだったな』 「え、せ、設定?」 『……神姫を手に入れる予定がなかったのなら知るわけがないな。 仕方ない、教えてやろう、まず私のマスター……つまりお前のことを私がどう呼ぶかを決めるのだ』 「ま、マスター……」 『あぁ、マスターになる気はないのだったか? 別になりたくないのならいいぞ、誰かハヤテ好きの知り合いにでも引き取ってもらえ。 それかやっぱりヤ○オクにでも出したらどうだ、私としても私を落札してくれるなら大事にしてくれるだろうからな』 「い、いや、なります! えっと、僕、ハヤテのごとく!が大好きですから!」 『……そうか。 その言葉に、嘘はないな?』 「ありません!! 絶対に!」 『……ほう』 「……」 少年は15年間生きてきて中で一番今までになく真剣な目を少女に向けて言った。 『ならばお前は。 私とハヤテの出会った時の、ハヤテの告白のシーンを一字一句言えるのか?』 「……」 沈黙が走る。 目を閉じて、息を整えた。 『まあ、流石にそれは冗談……』 少女が言い切る前に少年はゆっくりと目を開け、口を開く。 「僕と…付き合ってくれないか?」 『へ?』 少女に確認をとる間もなく、それを演じ始める。 「僕は君が欲しいんだ」 『なっ……』 真剣さが伝わる。 先ほどとはまるで違う気迫に、思わず後ずさりをしてしまうほど。 「わかってるさ!! だがこっちだって本気だ!!」 『……』 その真剣な眼差しに思わず彼女は…… 『で…でも!』 そのシーンのナギの役を、無言で引き受けた。 「こんな事、冗談じゃ言わない…」 吐息のかかる距離。 完全に役にのめり込む二人。 「命懸けさ…… 一目見た瞬間から… 君を…」 犯罪者の目。 ……をするハヤテを完璧に演じる。 「君をさらうと決めていた。」 『………………』 「………………」 二人はしばらく見つめあう。 そして、『ナギ』は口を開いた。 『本気の想い…… 伝わったぞ』 「…… シャキーン」 『擬音まで言わんでいい』 「……ごめん」 『……フ』 少女は笑顔で『ハヤテ』に言う。 『合格だ。 お前の想いは本物だな』 少年も笑顔になり、少女に言う。 「君に合格をもらえるなんて……光栄だな」 『私も、お前がマスターならば安心できそうだ。 さっきの言葉は撤回しよう』 「……ありがとう」 ハヤテのごとく!を好きでよかった。 少女の言葉を聞き、少年は心からそう思った。 『では、続けよう。 なんと呼んでほしい?ご褒美にできるだけ希望に応えてやるぞ』 「呼び方……か」 なんて呼んで欲しい? 少年はそう言われたのは初めてだ。 「……ピンと来ないよ」 おそらく、それが普通である。 「例えば、どんなの?」 『そうだな、普通ならば「マスター」やら、お前の名前やら。 それとも「私の執事」、とでも呼ぼうか。 そうだ「バカ犬」でもいいぞ。 望むなら「兄さん」とも呼んでやらないこともないが』 バカ犬、兄さん。 どちらもハヤテとは関係のない作品である。 声を当てている声優は同じであるが。 その縁でハヤテのごとく!でネタにされたこともある。 『……推奨は全くしないが、「下僕」やら、「豚」やら、「そこのお前」、「そこの人」でも』 「……普通に僕の名前で」 ナギの姿の少女にバカ犬およびほかの呼び方で呼ばれても違和感しかない、とハヤテは考えた。 きっとそれはハヤテのごとく!よりとらドラ!やゼロの使い魔がのほうが好きな人でも同じことであろう。 『まあそれが無難だな。 では……あ』 少女は何かを思い出したように、話を中断し口が空いたままにした。 『そういえば、名前を聞いていなかったな。 お前、名前は?』 「名前……僕の?」 『そうだ、どうした、早く言うがいい』 「うん……僕の名前は」 吐息のかからない距離。 机の上の少女の眼を真っ直ぐと見て、少年はその名を言う。 「ハヤテ」 『え?』 「鷹峰(たかみね) 颯(ハヤテ)。 僕が憧れた君の執事と……同じ名前だ」 ハヤテのごとく!の主人公、綾崎ハヤテはヒロインである三千院ナギの執事という設定である。 その、自身と同名の『綾崎ハヤテ』の、何があっても、どんな不幸があっても挫けずに立ち向かっていく『ハヤテ』の姿に。 『ハヤテ』にハヤテは憧れた。 『ハヤテ』の勇姿を見た瞬間……彼はハヤテのごとく!のファンになったのだ。 『ハヤテ……か……お前……』 「ん?」 『……まさか名前を詐称などしていないだろうな?』 「してない! ええい!! だったらこれを見よ!」 ハヤテは生徒手帳を取り出し、個人情報の乗っているページを見せた。 まだ高校に入学していないため、中学時代の生徒手帳であるが。 『おぉ……!! こ……これは……!!』 「ふふん」 『随分と無愛想な顔の写真だな』 「君に言われたくないし見るべきところはそこじゃない! それにその時は眠かっただけ!」 『おぉー、本当に名前はハヤテではないか!!』 「だから最初っからそう言ってるじゃない! ……流石に苗字は綾崎じゃないけどね」 ちなみに『綾崎』及び『三千院』という苗字は実在しないそうである。 『まあ、ならばいいのだ。 なんというか、呼びやすくて良い』 「それは……よかった」 『では、次は私の名前だ。 いい名前をつけるのだぞ、一生物なのだからな』 「え?」 名前。 (この少女に付ける名前なんて一つしかない) ハヤテはそう思うのだが、一応聞き返す。 「ナギじゃ……だめなの?」 『いいや、ダメではない。 だが、ゲームでもデフォルトネームと言うものがよくあるだろう? 私で言えば「ナギ」はデフォルトネームなのだ、別に変えてもかまわないぞ。 別に魔法少女モノが好きならフェイトと呼んでくれてもいいし、全く関係ない名前をつけても構わないのだ』 (あぁ、そういう事なんだ) しかし、ハヤテにとってはこの少女を『ナギ』以外の名前で見ることはできなかった。 「でもやっぱりナギはナギじゃないと……しっくり来ないな」 『そうだな、キャラクターの名前を勝手に変えてプレイすると違和感があることもある。 それはそれで懸命な判断だな』 「そ、それはどうも……」 『ということは、私の名前は「ナギ」でいいんだな?』 「うん、もちろん」 『わかった、それじゃあ私の名はナギだ。 よろしく頼むよ、ハヤテ』 ナギはハヤテに向かって微笑んだ。 「う……!」 その笑顔にハヤテは思わずキュンとしてしまった。 この瞬間、ハヤテの中でナギの株が鰻登りだったことは言うまでもない。 『ところで、早速だが私は疲れた。 クレイドルを出してくれ』 「……」 『……おい、ハヤテ?』 「えっ? あ、あぁ、はい、何?」 『……クレイドルを出せと言っているのだ』 「ク、クレイドル?」 『私の入っていた箱に一緒に入っていなかったか?』 その言葉を聞いて、ハヤテは箱の中を探す。 すると、比較的大きめな白い物体を見つけた。 「えっと、これ?」 それを取り出してナギに見せつける。 『おぉ、それだそれだ!』 ナギは早く早く、と言わんばかりにクレイドルに向かって両手を伸ばしている。 「えっと、どう設定すればいいの?」 『適当に組み上げてUSBのケーブルをパソコンに差し込めばいい』 (大雑把すぎるって……) そう思いつつもハヤテはナギのために設定をする。 パソコンにUSBケーブルをつなげるという組み上げると言っていいのかわからないほど短い手順であったが。 「……組み上げた(?)けど」 パッと見ハヤテには、この物体の正体が何かわからなかった。 「これ、何?」 『簡単に言ってしまえば、充電器だ』 (これで充電器なんだ) 「でもこれ……どうやって充電するの? ナギにこれのどこかにある何かを差し込めばいいの?」 『いいや』 ナギはクレイドルの上に乗り、それに横たわりながら言う。 『この上で寝ていれば、勝手に充電されるのだ』 「……へぇ」 (最近の充電器って、進歩してるなぁ) そう思いながらハヤテは呟く。 「……科学の力ってすげー」 『まぁというわけで私は寝るぞ、起動したばかりでエネルギーが少ないのだ。 夜には充電が終わるはずだ、話なら後にしてくれ』 「え、あ、あの……」 『Zzz……』 ハヤテが止める間もなく、ナギはクレイドルで眠りについてしまった。 「……」 ナギの寝顔を見ながら、ハヤテは呟く。 「武装神姫……か」 ひょんなことから神姫のマスターになってしまった少年、鷹峰ハヤテ。 これは、ナギや友人とともに駆け抜けた、ハヤテの激動の高校生活を綴る物語である。 プロローグ 「悪夢の楽園より」 完 次回『ナギのごとく!』 『学校……お前、ニートじゃなかったのか』 ハヤテ「あくまで、執事ですから……」
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2456.html
MMS戦記 登場MMS MMS戦記に登場する主な神姫を紹介します。 戦乙女型MMS 「アルトレーネ ヴィオラ」 :ディオーネコーポレーション・アームズ・イン・ポケット社共同開発 :主兵装備 ブラオシュテルン 1本 ランドグリーズ 1本 ジークリンデ 1挺 素体部分をディオーネコーポレーション、武装部分をアームズ・イン・ポケット社という異例のタッグ体制で開発された機体。各所に配置されたクリスタルアーマー内にはそれぞれ小型コンデンサを内蔵。副腕部、脚部などへ独立したパワー供給が可能となり大柄なアーマーにも関わらず高い機動力を獲得している。また特徴的なスカートアーマーは展開して格闘用武器、変形して高機動用ウイングへと転用できる多用途なユニットとなっており、優れた攻守のバランスを実現している。さらにヴィオラでは、新規に開発された専用ライフル-ランドグリーズによって従来苦手としていたミドル~ロングレンジの戦闘にも十分に対応可能となった。 攻守ともに隙のない性能を備えた蒼い機体は対戦相手に威圧感を与えるのに十分なデザインとなった。 戦闘攻撃機型MMS 「グリフォン」 :カタリナ社第2開発局製 :主兵装備 1.2mm機関銃×1挺 3.5mmレールキャノン×1門 ショットライフル×1挺 ハンドカノン×1門 ハフ・グーファ×2発 ヒートソード×1本 プチマシーン「弾着観測猫41型」 カタリナ社第2開発局が設計、開発した戦闘航空神姫。アキュート・ダイナミックス社が開発したワシ型MMS「ラプティアス」の飛行特性はおおむね優れていたが、兵装搭載力と火力、防御力などの性能に不満がもたれていた。このためカタリナ社で強化改良機の計画が立てられて最終的にヤマネコ型とワシ型の9割のパーツの共有性を持つ同機の改型ともえいる「グリフォン」が再開発された。大型火器の運用能力が付与されて有効な戦闘攻撃機となり、バトルロンドでは対地、対艦、対大型重MMS攻撃などで有効に運用された。 戦闘機型MMSとしては優秀な性能を持つレーダーと長射程レールキャノンの装備により、近接交戦能力についても他の戦闘機型MMSに劣らぬ空戦機動と有効な重武装を持つ強力な戦闘MMSである。しかし欠点としてコストが高いことと、重いため操縦にクセがあり、左右非対称のため安定性が悪いなどの欠点があるため、少々使い手を選ぶ武装になってしまった。名前の由来は上半身は鷲、下半身は獅子の半鳥、半獣の幻獣の「グリフォン」。ワシ型とヤマネコ型を合体させたまさに本機にふさわしい名前である。 全身に装備された重装備の数々、不要になった場合は投棄可能。 突撃戦闘艦型MMS 「ヴォストーク」 :カタリナ社第5開発局製 :主兵装備 スタンダートミサイル4連装発射機×2 2mmCIWS機関砲×2 連装VSL×2 大型ヒートクロー×2 艦首魚雷発射装置×2 メガビーム砲×2 カタリナ社が開発した新鋭の突撃戦用大型MMS。 本MMSの特徴は、なんと言ってもアーンヴァルのエンジェリックスカイ以上の超高速性能(厳密な速度は不明)で水上、陸上、氷上を走り回り、多数の砲門から放たれるミサイルで獲物を追い詰め撃墜したり、接近戦用に両脇の大型クローで真っ二つに両断する。目の前のもの全てを巨体でなぎ倒し轟音を奏でながら猛スピードで突っ込み、両脇の大型クローでなんでもぶった切る姿はバトルロンドでは非常に恐れられた。 水陸両用で、特に他のMMSでは航行や走行が困難な浅瀬や湿地でも、まったく速度を落とさずに移動でき通常のMMSよりはるかに高速で機雷、魚雷、地雷などの兵器に対して反応しにくい点など特殊な長所も多いが・・・大騒音によって敵に事前に察知されやすいこと、バッテリーをドカ喰いするので行動時間が短い、整備・維持に莫大なコストが必要、運用方法が特殊すぎて扱いにくいなどがデメリットとされ、結局、特殊すぎるMMSのため本格的に運用できるオーナーも少なく、極小数が生産されただけで終わった。 大型MMSのクセにやたらと機動性と速度は速く、高機動タイプの神姫であっても機動性についていけないほどの機動性を発揮するが、その分、他の大型MMSと比べて装甲は薄い。 重邀撃戦闘機型MMS 「アステ・リオン」 :カタリナ社第2開発局製 :主兵装備 1.2mm機関銃 2門 ヒートナガマキ 1本 バーストレールガン 1挺 ミサイルランチャー 2基 カタリナ社第2軍事開発局が秘密裏に開発していた最新鋭次世代型MMS。ガーリオン型MMSをベースに最先端テクノロジーの運用と既存の信頼性の高い武装とコンセプトを加えた堅実で強力な新世代機。 野心的な重戦闘神姫。リアパーツ、副腕に新型の超強力な大出力素粒子エンジンを搭載しカナード翼を設け、加速力、高速性能、抜群の運動性、重武装と重装甲を有し長大な航続距離を兼ね備えており、数多くいる武装神姫の中でもトップクラスの性能を有する。しかし、大出力素粒子エンジンは整備、維持には莫大なコストが発生し、コストパフォーマンスは最低だったため結局、完全受注生産の高級武装神姫として極小数が販売されただけにとどまった。 圧倒的な加速性能と速度を持つ武装を生かした一撃離脱の強力な攻撃で、相手を強襲するスタイルを好む。バトルロンドでは全身に装備された強力な武装をもちいて対戦相手の武装神姫を撃ち殺している。一撃離脱の強襲攻撃の威力は凄まじく、重装甲の戦艦型MMSでさえも一撃で叩き割られるほどである。最高速度の攻撃は、音速を超え衝撃波と摩擦熱で全身が真っ赤に燃え上がり、プラズマが周囲を取り巻くとさえ言われる。 エンジンの開発製造には、高い技術を有するカタリナ社以外の外注工場で製造されたとの噂もある。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2112.html
ウサギのナミダ ACT 0-4 ■ 朝。 わたしが目覚めると聞こえてきたのは、すぐ右手にあるパソコンのキーボードを叩く音だった。 キーを叩く人は遠野貴樹。 きのう、わたしのマスターになった人。 「お……おはようございます……」 「おはよう」 おずおずと声をかけたわたしに、あっさりと、そしてどこかそっけなく返事が来た。 シーツ代わりのハンカチを引き寄せ、マスターになった人の顔を見つめる。 端整な顔立ち、だと思う。 細いフレームの眼鏡をかけ、理知的な印象だ。 それが口調とも相まって、少し冷たい印象を受けるけれど。 どんな人なのだろうか。 コーヒーカップを口元に運ぶ横顔。 いままで、わたしが会ったお客さんたちとも違う印象。 真面目そうで、理知的な瞳は、いつもまっすぐにわたしを見る。 彼の指の動きが止まると、その瞳がわたしを映した。 「よし、行くか」 「えっ……?」 キーボードを叩いていた手が、わたしに伸ばされてくる。 わたしは身構える。身体を固くしてしまう。 いや、すくんでしまうのだ、恐怖に。 わたしに伸ばされる手は、いつだって、酷いことの予兆だったから……。 わたしの様子を不審に思われたのか、手は一瞬止まった。 けれど、すぐに動き出してわたしを包み込むように掴むと、そのまま彼の胸元へと移動する。 そして、わたしはシャツの胸ポケットにおさまったのだった。 ……酷いことなんて、何もされなかった。 それが当たり前だと思えないほど、わたしは酷いことの方に慣れすぎていた。 □ 身体をすくませ、何かを耐えるように掴まれるのを待つ姿には、正直へこんだ。 俺が「何もしないから、安心しろ」と言い聞かせても、おそらく態度を変えることはないだろう。 この身をすくませる態度は、ティアが過去にされてきた仕打ちに起因するのだと思う。 だとしたら、言い聞かせるだけでは変わらない。 ティアが俺を本当の意味でマスターと認めてくれない限りは。 だからその時を待ちながら、辛抱強く待つしかないのだった。 俺は家を出ると、ゆっくりとした足取りで歩き出した。 外は快晴。早朝の爽やかな空気が気持ちいい。 俺はこの時間に散歩をするのが好きだった。 それが自分の神姫と一緒なら、きっと楽しいことだろう。 俺のひそかな夢の一つだった。 ■ マスターのシャツのポケットは、わたしにあつらえたようにちょうどいい大きさだった。 リズミカルな振動は、マスターが歩を進めている動き。 わたしは少し顔を出してみる。 ……まぶしい。 マスターの部屋も、とても明るいと感じたわたしだったけれど、外の世界はさらに光に溢れていた。 色に、溢れていた。 世界を覆う空は、見たこともないような青だった。 建物の壁は、その建物ごとに何種類もの色があった。 たくさんの植物が道に沿って植えられていて、それもただの緑色ではなかった。 一本の木に、たくさんの緑色が集まって、一つの緑に見えている。 色とりどりの自動車、道行く人の洋服もカラフル。 なにより、全ての色がはっきりとしている。 光が、溢れている。 木々が揺れる。 顔を出したわたしの頬を、やわらかな空気が撫でていく。 これが、風? マスターはゆっくりと歩いていく。 その胸元から見る世界は、わたしが初めて目にするものばかりだった。 やがて、マスターとわたしは、公園へとやってきた。 公園というものを初めて目にしたわたしは、心を奪われてしまった。 見たこともない大きな空間には、色とりどりの緑色が溢れかえっていた。 天井はどこまでも続く空の青。 現実の場所とは思えない。 いままで、わたしが知っている場所とはあまりにも違う。 わたしは知らなかった。想像もしていなかった。 世界は…… 「広いですね……」 わたしは思わず呟いていた。 □ 「ああ、この公園は、このあたりでは一番大きい」 なんて答えた俺は、後悔することになった。 ティアの呟きにそんな意味が隠されていようとは思いもしなかった。 ティアの真意を知るのはずっと後だったが、何というトンチンカンな答えをしたのだろう、と今でも後悔に苛まれる。 俺にとってはいつもの散歩道でも、ティアにとっては初めて見る外の世界だったのだ。 そんなティアの感傷を想像だにせず、俺は公園の遊歩道を歩いていく。 ■ マスターの歩みには迷いがなかった。 まるで自分の家の中のように、歩いていく。 マスターにとっては、何度も来た場所なのだろう。 ふと、疑問に思って、思い切って、本当に思い切って、マスターに尋ねてみた。 「マスター……今日は、どこへ行くんですか?」 おそるおそる見上げると、マスターは何故か驚いたような顔をしていた。 「どこへって……どこへも行かないぞ?」 「……え?」 「あえて言えば、ここが目的地か……」 ここが目的地だというのに、マスターはひたすらに歩き続けている。 マスターは一体何をしに来たというのだろう? このときの記憶を思い出すたびに、わたしは恥ずかしさにいたたまれなくなる。 目的などあるはずがない。 マスターは散歩をしに、この公園までやってきたのだから。 こうして歩いていること自体が目的だなんて、あの時のわたしには思いも及ばないことだったのだ。 だけど、マスターはこう言ってくれた。 「そうだな、おまえに、この公園を見せたかったんだ」 このときのマスターの声は、この上もなく優しかった。 散歩から戻って一休みすると、マスターはパソコンに向かってなにやら作業をはじめた。 おそるおそるディスプレイを覗いて見ると、武装神姫の情報サイトをチェックしているみたいだった。 でも、わたしにはどんな情報をマスターが欲しているか分からない。 マスターは、時折腕を組んで考えては、マウスを操作し、次々にサイトをチェックしていく。 マスターは情報収集に夢中で、わたしを気にかけない。 わたしは手持ちぶさたになった。 マスターのパソコンから音楽が流れてきている。 マスターは作業中、音楽データをかけっぱなしにしているのだ。 いくつもの曲が聞こえてくる。 あ、わたしも聴いたことのある曲。 お店で音楽を聴く機会は、踊りをするときだけだった。 お客さんのための踊り。 でも、音楽に乗せて身体を動かすことは、わたしの数少ない楽しみの一つだった。 自然と、踊りたいという気持ちがわき上がってくる。 マスターはサイト検索に夢中。 右手に広がっている作業用のスペースは、わたしが踊るのには十分すぎる広さだった。 わたしは立ち上がり、リズムを取る。 そして、曲の途中から動き出す。 身体はすんなりと、覚えていた振り付けを再現する。 曲に合わせて踊る、踊る。 すぐに夢中になる。 周りのことなど意識せずに踊る。 お店にいた頃は、そうでもしなければ踊り続けることが出来なかった。 その習慣が出てしまったのか、今も意識が踊りだけに向いている。 ……そして、わたしが踊り終わったとき、こちらを向いてわたしを見つめているマスターと目があった。 気が付かなかった。マスターがわたしを見ていることに。 わたしはマスターの命令もなく、勝手に踊ったりして、しかも、マスターの作業の邪魔をするなんて……なんてことを……! 「あ、あ、あのっ、そのっ……わ、わたし……ご、ごめんなさ……」 「もう一回やってみろ」 あわてて謝ろうとするわたしにかけられた一言は、意外なものだった。 「曲は同じなら踊れるか?」 「えっ? ……あ、は、はい……」 マスターはマウスを簡単に操作する。 するとパソコンから、先ほどと同じ曲が流れはじめた。 わたしは曲のリズムに合わせて体を動かす。 再び滑り出すように踊り始めた。 でも、表情がこわばっていたかも知れない。手や足の先の動きがぎこちなかったかも知れない。 だって、マスターがじっとわたしを見つめていたから。 静かに、まっすぐに、踊るわたしを見つめている。 マスターの瞳からは表情は読みとれなかったけれど。 わたしは、なんだかとても恥ずかしかった。お店で踊ったどんな踊りよりも。 お客さんのあざとい視線を受けているときよりも。 マスターの視線は、わたしの全てを見透かしているようで。 やがて曲が終わり、わたしは静かに踊りを終える。 マスターを見ると、視線はディスプレイの方を向いていた。 「やはり、バランスがいいな」 「は……?」 「思った通りだ。おまえはバランス感覚が平均よりもずばぬけている」 「はあ……」 マスターの言葉がぴんとこなかった。 わたしが踊っている間、マスターはわたしのデータを何かモニターしていたようだけれど、それが何なのか、詳しいことは分からない。 「うん……やっぱりこれにしよう」 「何を……ですか?」 「おまえの装備だ」 マスターはわたしの方にディスプレイを向けた。 ものすごい勢いで、ジャンプ台から飛び出した男の人。 画面から飛び出してきそうな勢いの動画が表示され、わたしは思わず驚いてしまう。 画面の中の人は、車輪のついた靴を履いていた。 道でない場所さえ、自由自在に、駆け回り、飛び跳ねる。 「ローラーブレード……」 「知っているのか?」 「あ、はい……実際のものを見るのは初めてですが……」 一般常識として、メモリには記録されていた。 でも、こんなに激しく、華麗に、そして自由に動くものだとは初めて知った。 「おまえ用の装備として、武装神姫向けにアレンジしたローラーブレード型の脚部パーツを作ろうと思う」 「え……でも……」 そんな装備は、公式の装備にはないはずだった。 いや、移動用の車輪付脚部パーツや、トライク型に代表される地上用の神姫の装備には、それに近いものはある。 だけど、さっきの映像のように、小型で高速機動が可能な地上用装備は、少なくともわたしのメモリに登録されている武装神姫公式装備カタログの中にはない。 「その装備では、公式戦には出場できないのでは……?」 「別に、公式戦に出たいわけじゃない」 マスターはこう言った。 「俺は、まだ誰も見たことのない様な、ただ一人の武装神姫を作りたい」 ただ一人の武装神姫。 「それが可能なら、公式大会に出られなくてもいい。どこかのゲームセンターに、誰もしない戦い方の神姫がいる。そんな風に言われるのが、俺の夢だ」 マスターの夢。 「おまえは、踊るように、舞うように、美しく戦うんだ。ギャラリーも、対戦相手のマスターも、神姫も。おまえの戦いぶりで魅了することが出来たなら……」 魅了することが出来たなら……。 「最高だな」 わたしは、夢の中にいるような気分だった。 わたしは、マスターの夢を実現するために、ここにいる。 ここにいて、マスターのお手伝いが出来る。 それはなんて素晴らしいことなんだろう。 「で、でも……わたしなんかで、大丈夫でしょうか……?」 「だから、『わたしなんか』って言うな」 怒られてしまった。 「苦労はするだろう。練習も膨大な時間が必要になる。だが、それでも、俺は俺の夢を叶えたい。……おまえには苦労をかけることになるが。なにしろ、ベースとなる戦闘プログラムもないからな」 「いいえ……! わたしは、わたしでよければ、がんばりますっ」 わたしは、はじめて……夢を持った。 マスターの夢を叶えること。 誰も見たことがないような、踊るように、舞うように戦う武装神姫。 この日から、わたしの武装神姫としての修行が始まった。 次へ> トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/607.html
第弐幕 「Virgin cry」 「マスターは・・・まだ寝ているのか」 どうも私を購入したのは相当衝動的だったらしく、マスターの神姫に対する認識と知識は非常にあやふやで、昨夜は結局質問攻めに会い、そのまま互いに「眠って」しまったのだ 取敢えずクレイドルから体を引き剥がし、部屋の中を散策する事にする 私?私の名はカスミ。侍型MMS、タイプ紅緒、個体名「華墨」。マスターである佐鳴武士に買われて二日目の、言わば新米の武装神姫である マスターの部屋は、本棚が数十年前の漫画本で埋め尽くされ、戸棚の上にはMMSでこそ無いが、種々のアクションフィギュアやプラモデルが好き勝手なポーズで放置されている 本人が言うには節操無く格好良いものばかり集めているらしく、確かに私の「知識」と照らし合わせても、特定のアニメやゲームのグッズを集めているという感覚からは遠いと見受けられた 「・・・ほう、これはなかなか・・・」 等と呟きながら、勝手にそこらに飾ってあるフィギュアの武器だの、本体から脱落したパーツだのを手にとって構えてみたりする そうすると、不思議と自分が強くなったような気がする・・・これが武装神姫の戦闘本能というやつなのだろうか 「いい剣だ」 仮面の戦士が構えていた重そうな大剣を両手で構え、ポーズをつけて素振りなどしてみる・・・今のポーズは決まっていたな と、窓の辺りから入ってきた気配に咄嗟に振り向く。そういえば猫が出入りする様な小さな扉がしつらえられていたが 「この部屋の住人ならば挨拶しておかなければなるまいな・・・」 何故か仮面戦士の大剣は携えたまま窓の方へ向かう。ベランダ側の窓からは、微かに爽やかな朝の空気が出入りしており、人工皮膚を心地良く撫でてゆく あぁ・・・いい気持ちだ・・・・白い陽光と風に包まれる部屋、薄く寝息を立てるマスター、自分が知識でしか知らなかった世界、私の傍にもそもそとやって来る緑色の謎の生き物・・・ 待て 待て待て なんだか異様な生き物が私を見つめている(ように見える)トゲトゲした背鰭に、ギクシャクした動作、鼻面から尾の先迄概ね50センチ、全身が緑色の鱗で覆われていて、眼球まで皮膚がかぶさっている ぎょろ 「ひッ!?」 見た 見られた 今明らかに瞳が私を見た しかも右目だけが 左目は明らかにぐりぐりと別の方向を索敵(?)中で、それは即ち左右の瞳がてんでばらばらに動いている事になる 体が動かない・・・ッ 何を怯えているんだ、私は人類の英知が生み出した科学の子「武装神姫」だぞ。こんな謎の爬虫類相手に足が竦むなど、何かの間違いだッ・・・なんで色変わってんだよ・・・いい気になりやがって 取敢えずまずは話しかけてみよう。うむ、ファーストコンタクトは大事だ。これに失敗した事による悲劇は映画史上枚挙に暇が無い。危険な相手かどうかは話をしてみないと・・・ 瞬間、謎の爬虫類の口から何かが放たれた・・・凄まじい速度、神姫の動体視力で持ってしても捕らえ切る事が困難なそれは、もし私がターゲットにされていたなら確実に一撃で仕留められていただろう 気付くと、ヤツの口から何かの昆虫と思しき肢がはみ出しており、ヤツはそれをむしゃむしゃと旨そうに喰らっていた 「・・・き・・・っ貴様なかなかやるな!!だっ・・・だがその程度のデモンストレーションでびびる私ではないぞ!!神姫に同じ手は二度と通用しないのだ!その技をここでみせてしまった以上最早貴様に勝ち目は・・・」 仮面戦士の大剣を構えつつ口上を放つ、が、ヤツはそれを無視して私の脇をのそのそと通り抜ける 「・・・ふっ・・・しょっ、所詮爬虫類だな私の圧力に恐れをなして逃げるのか!?どちらがより上位の存在か、これではっきり・・・え?」 振り返り、ヤツに剣を向けて再び口上を放つ私。その剣の先で、マスターがなんとも言えない表情で笑いを堪えていた 「いやぁ華墨は勇ましいなぁ。大概のやつはボナパルト君を最初に見た時はびびるのに、まさかそれと闘おうとするとはな・・・さすがは武装神姫って事か」 「・・・もう勘弁してくれ・・・マスター・・・」 着替えながら笑うマスター。「ボナパルト君」と対峙した時の私の構えは、本当にへっぴり腰で、それだけで既に笑ってしまいそうな程情け無い構えだったらしい 「なんでカメレオンなんかが居る・・・?マスターは昨夜そんな事は一言も・・・」 「いやぁ、なんか判らんけど前にこの部屋に住んでた奴が放置していったらしくてな。ほら、ベランダの外に木が一本見えるだろ?あそことこの部屋を根城に生活してるらしいんだわ」 これは後で聞いたのだが、ベランダには「ヴェートーヴェン君」という名の亀も居るらしい。つくづく自分の名前が「エリザベス13世」とかにならなくて良かったと思った 「・・・しかしまぁ元気と闘志はあるみたいだな?いい感じだぜ。これでバトル向きの性格じゃなかったらどうしようかと思ってたんだ」 「・・・?マスター、どうするんだ?」 「バトルスペースへお前を連れて行く。なんつったって『武装』神姫なんだからな。お前の力、見せてもらうぜ?」 歯を見せて笑うマスター。後ろにボナパルト君さえ居なければ、私はとても凛々しい表情で「応」と言えただろう 神姫のバトルは、実際に神姫同士を戦わせるリアルバトルと、往年の「プラモ狂○郎」や「ガ○ダム野郎」「プラモ○ォーズ」の様なバーチャルバトルがあるらしい マスターが以前に見た「ツガル」の戦いは、そのバーチャルバトルの方らしく、低位のランカーや神姫が傷付くのを嫌がる人々から支持され、公式リーグに導入して欲しいとする声も一部で上がっているそうだ で、その低位ランカーの草試合・・・サードリーグレベルのバトルが行なえる、近所で唯一の店を目指してマスターは来たのだ 古風な横開きのガラス戸を開ける。来客を知らせるチャイムが店内に響き渡る 古風な店・・・数十年前から時が止まったかの様な印象を受けたと後でマスターは漏らしていた・・・所謂駄菓子屋のレベルの店内に、明らかに不釣合いなバトル筺体 「この近所にこんな店があったのかよ・・・知らなかったぜ」 「いらっしゃい。初めて見るお客さんだね」 そして、店長と思しきフケ顔の青年は、明らかにこんな店の店員をやっているよりは、異星人の残した超戦闘服を着て、世界を征服した秘密結社を打倒して自らこの惑星の王となろうとする方が似合いそうな容貌である(何を考えているんだ私は) 「武装神姫のバトルってのがやりたいんだけど・・・相手居る?」 「・・・ほう。新規さんか・・・成程、ではバトル用のICカードを作るから、神姫と一緒に奥に来てくれるかな」 武装の登録等を取敢えず一通り済ませる迄におおよそ一時間を要したが、マスターは随分やる気のようだ・・・無論私も、緊張感と共に、マスター言う所の「闘志」が湧き上がるのを感じていた 「佐鳴 武士君と、華墨君だね・・・?これで登録終了だ。多分今日も待っていたら『槙縞ランカー』が一人や二人くらいは来ると思うから、その人達と戦って見ると良い」 「『槙縞ランカー』って何?」 「この町の地元リーグ・・・この店の名前を取って『槙縞ランキング』と呼ばれているが・・・の事さ。周辺に住んでいる大概の神姫オーナーとその神姫の強さを私達が評価してランキングしている。初めての君にはピンと来ないかもしれないが、中には公式のセカンドリーグでもそこそこいい所まで行くと目される神姫も居るよ」 「凄えなぁ・・・燃えてくるぜ!」 「フ・・・充分に熱血してくれ給え・・・どうしたキャロライン?」 見ると、店長のズボンの裾を引っ張る神姫・・・ストレートロングヘアで一瞬判らなかったが、ヴァッフェバニーか?咥え煙草風のアクセサリを付けている・・・ 「彰人、客が来てる」 店長は客に対応する為に出て行く 「バトルは初めてかい?」 「・・・あ・・・?あぁ」 いきなり声を掛けられて戸惑う。そういえば、何故この神姫(ひと)が相手では駄目なのか? 「済まないね・・・あたしはもう闘わない事にしてるんだ」 「・・・っ!!」 心を読まれたのか!?何だ?この神姫は 私が一人で驚愕していると、店長が入って来る 「武士君、華墨君。早速バトルが出来るようだよ」 それを聞いて、傍にある玩具の箱を見ていたマスターが勢い良く立ち上がる 「おっけい!どんなやつでもかかって来いってんだ!行くぜ?華墨!」 指を鳴らすマスター、喉を鳴らす私。緊張感は胸を締め付ける程になっている 「行ってきな。あんたの力、しっかり試しておいで」 キャロラインと呼ばれたヴァッフェバニーに肩を押され、私はマスターの肩に飛び乗った・・・! 剣は紅い花の誇り 前へ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2265.html
キズナのキセキ・予告編 武装神姫SSまとめ@wiki presents ゲームセンターで囁かれる噂がある。 そのマスターと神姫は、あちこちのゲームセンターや神姫センターに現れる。 神出鬼没。 不意に現れて、有名プレイヤーや実力者とバトルする。 実力も相当なもので、ファーストリーグのランカーに匹敵するという。 しばらくそのゲーセンでバトルをすると、今度は違う店に現れる。 何かを探していると言うが、その目的は誰も知らない。 マスターは女性で、目を引く美貌の持ち主。 神姫はイーダ型のカスタムタイプ。 二人はいつしか、こう呼ばれるようになった。 放浪の神姫『異邦人(エトランゼ)』 と……。 キズナのキセキ ~ 予告編 ~ 久住菜々子とミスティの前に現れた、最強の、そして宿命の敵。 『狂乱の聖女』 大城「こ、こんなやつに……どうやって……勝つってんだ……」 圧倒的な強さの前に、戦慄する大城。 謎めく神姫はいったい何者なのか? ???「ひどい顔ね」 ついに明かされる菜々子の過去。 「本身を抜く」技を身につけるに至る秘密とは? 菜々子「あんたがわたしの神姫だなんて、絶対に認めない」 彼女に何があったのか。 そして、彼女が放浪し、戦い続ける理由とは? 菜々子「リアルモード起動! モード・ビーストッ!!」 ミスティ「おおおおおおっ!!」 本身を抜いて立ち向かう菜々子とミスティに勝機はあるのか? ティア「あなたは……?」 電脳世界の片隅で、ティアは意外な神姫と邂逅する。 海藤「僕たちで役に立てるなら、お手伝いするよ」 虎実「ほんとに……これでいいのかよ、トオノ!!」 美緒「あなたこそ……あの人の何が分かってるって言うの?」 ランティス「ティア……まさか貴女に背中を任せて戦うことになるとは……ふふふ」 前作「ウサギのナミダ」から、おなじみのキャラクターも総出演! いま再び、すべてのマスターと神姫に問う。 絆とは何か? ???「そんなものは、幻想にすぎない!」 本当の強さとは何か? 遠野「俺なんか強いものか。彼女の方がずっと強い」 神姫はなぜ戦うのか? ミスティ「わたしはあなたを倒す。ナナコのために」 そして。 遠野「君に、『エトランゼ』の本当の戦い方を教えよう」 遠野が菜々子に託す、最強の一手とは!? 「ウサギのナミダ」の著者・トミすけが新たに挑む、衝撃の武装神姫ストーリー! 「キズナのキセキ」 これは、ちょっと気が強い神姫と、理想を追い求めたマスターの、絆の物語。 今秋、投稿開始予定! 遠野「キーワードは、武士道だ」 菜々子・大城「……はあ?」 乞うご期待! Topに戻る>
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2771.html
注意 このページは、アニメ『武装神姫』のネタバレを含みます(本編のネタバレ? も僅かに)。 お読みになる際には注意してください。 ここは場所や時間に縛られない、言わば神界領域(フリーダムスペース)。 要するに作者がアニメを見た感想やら何やらかんやらを、樹羽、シリア、華凛の3人の談話形式でつらつらと書いていく空間です。 ここでの内容は、本編とは何の関係もありません。 それを踏まえた上で、Are you ok? アニメにおけるエウクランテの立場 「最初からエウクランテ型が出てきたと思ったら完璧に噛ませ犬役でした」 「ああ、うん、確かにそうだったね……」 「いやぁ、戦い方酷かったわねぇ。ボレアスの乱射乙って感じ?」 「撃ちすぎ。集弾率が高い武器をあんなに撃ってもけん制の意味がない」 「むしろ私的にはボレアスがあんな使い方があったことに驚いたんだけど……」 「けん制でばら撒くなら、樹羽の使ってる短機関銃クラスじゃないとだめよねぇ」 「第3話において戦闘開始5秒で退場」 「死亡フラグの破壊力って凄いですよね……」 「いや、あれはそういう問題でとどまらないでしょ。終始残念だし」 「そして第4話ではプレステイルの魔改造」 「樹羽、違うわ。あれはただのアホの子よ」 「もう最後の完走シーンでは泣きました、別の意味で」 結論:アホの子の噛ませ犬 これからの話に関して 「空間に武装を閉まっておくってどんな技術よ」 「とりあえず、あれは2070年ぐらいの話」 「まぁ、あの謎の技術はともかく、ボレアスは参考になりましたよね」 「それはいい、次の話で使わせてもらう」 「くれぐれも、同じような使い方しないでよ?」 「大丈夫、私にはストームがあるし」 「樹羽に限って、ありませんよ」 「そうね、あたしも次回はがんばらないと」 次回:激闘の大会編(予定)
https://w.atwiki.jp/loscru/pages/74.html
支援 32 森羅のラビリンス 支援 複数 味方全員のBPを100回復する SP3 1回 スクーグズヌフラ
https://w.atwiki.jp/busou_bm/pages/13.html
ここを確認する前に、必ず取扱説明書に目を通しておいてください。 DL版の説明書はXMB→ゲーム→メモステ→武装神姫BM→△ボタン→解説書にあります。 購入前Q このゲームってどんなゲーム? Q UMD版とDL版があるけど、どっちがいいの? Q 限定版があるらしいんだが Q そもそも武装神姫って何なの? Q 登場する神姫の数は? Q 俺の好きな神姫が出てないんだが? ゲーム本編Q ○○に勝てないよ! Q ○○が装備できないんだけど?コスト制限もきついよ? Q ○○が入荷したのに売ってないよ? Q △△のパーツどこ?レールアクション揃わないよ? Q 手持ちのパーツが少なくて同時育成が難しいです。 Q 武装エディットの登録データが消えるんだけど? Q 武装エディットで総合アビリティ一覧があったら便利なのに。 Q 一回しか攻撃できない武器があるんだけど。 Q ハンディキャップ戦が難しすぎる。 Q LOVE上げの効率のいいところはどこ? Q F1行くための公式戦でないんだけど?/ファイアーバースト杯出ないんだけど? Q クラブ ヴァルハラ?裏バトル?やっていいの? Q ランク5の装備はどこで集めればいいの? Q F1チャンピオンやヴァルハラのハーデスのRAの入手方法は? バトル以外Q イベントが進まないんだけど。 Q 同型の神姫って複数持てない?何か駄目とか言われたよ。 Q 神姫の名前変えたいんだけど。 Q 武器や神姫の色って変更できない?俺のアークも青くしてぇ…。 Q 神姫って何体まで買えるの? Q ライバルが上級者すぎるんだけど…。 Q 主人公って男なの? Q 主人公や神姫の名前に漢字は使えないの? Q 神姫が増えてくると名前をつけるのが大変なんだけど…。 クリア後Q 二周目始めたら装備が減ってるんだけど。 対戦関連Q アドパで対戦できる?kaiは? 購入前 Q このゲームってどんなゲーム? A 神姫を育成しつつ、様々な武装やパーツを集めて戦うアクションゲームです。 Q UMD版とDL版があるけど、どっちがいいの? A このゲームはロードが多いため、特別な理由がない限り、ロードの短いDL版がオススメです。 ※参考データ 読み込み事例 UMD DL 全体→自宅へ 10秒 5~7秒 (自宅)神姫データ→武装エディット 2秒 2秒 (自宅)武装エディット→神姫データ 5~7秒 4~5秒 自宅→全体へ 3秒 1秒(ほぼ一瞬) (ゲーセン)相手選択→会話開始 15秒前後 6,7秒 (ゲーセン)会話終了→戦闘開始 20秒前後 6,7秒 戦闘終了→賞金表示 6秒前後 5~6秒 賞金表示→会話 15秒前後 5~6秒 読み込みが多い=遊ぶ時間が長いほど、ロード回数分が直接的に時間のロスにも繋がります。 なお、DL版の容量は465MB、セーブデータはDL版とUMD版で互換性があります。 定価の場合、UMD版が5800円に対し、DL版が4800円と1000円安くなっています。 3月3日には「コナミ ザ・ベスト」としてUMD版2940円、DL版2300円に改定されました。 先述の通りDL版にはロードが短い利点があり、コストパフォーマンスは圧倒的に高いです。 UMD版は増産や中古流通での値崩れも見込め、売却できることが利点とも言えます。 この辺りは価値観やサイフの状態にもよるので、上記の要素も考慮して決定しては如何でしょうか。 Q 限定版があるらしいんだが A コナミスタイル専売でアーンヴァルMk.2、ストラーフMk.2のフィギュアが同梱された「特別版」があります。 ※特別版の在庫はほぼ尽きており、入手は困難です また同じく専売でサウンドトラックも販売されており、特別版とサントラのセットもあります。 ※詳細はコナミスタイル・武装神姫BM特設コーナーを参照して下さい。 「武装神姫 BATTLE MASTERS MK.2」の特別版には、本作の特別版同様アーンヴァルMk.2、ストラーフMk.2が追加武装付きで付属します。 ただし、こちらもコナミスタイル専売かつ数に限りがあるので入手はお早めに。 Q そもそも武装神姫って何なの? A:コナミから発売されているアクションフィギュアシリーズで、ホビー方面とゲーム方面に展開しています。 MMSと呼ばれる可動素体に様々な武装を装着し、自由に組み替えて遊ぶことが基本コンセプトです。 企画発表当時はフィギュアとWindows向けオンラインゲームは連動企画の位置付けにありました。(現在はサービス終了) 神姫ネット稼働中は一部を除くフィギュアにはアクセスコードが付属し、アクセスコードをKONAMI IDに登録が可能でした。 登録すると、フィギュアと同じ素体とパーツを3Dモデルデータとして、ゲーム内でも使用することができました。 かつてゲームではショップで3Dモデルデータを買うこともでき、本作にも何点かあちらを初出とするパーツが登場します。 なお、残念ながらKONAMI IDを通じたPC向けゲーム フィギュアと本作の連動企画はありませんでした。 mobageをプラットフォームとしたBATTLE COMMUNICATIONも配信開始の2011年11月現在、本作との連動は発表されていません。 【ホビー方面】 フィギュアと武装のフルセット、ライトアーマー、EXウェポンセットなど数種のパッケージが存在します。 また、限定リペイントモデルなどもあり、デザインだけでも40種類に及ぶラインナップを誇っています。 それでいて、更に次モデルが公開されるなど、非常に息の長いシリーズとなっています。 ※詳細は武装神姫公式サイト・フィギュアの項目を参照して下さい。 【ゲーム方面】 本作のほか、mobageをプラットフォームにしたフィーチャーフォン向けの武装神姫BATTLE COMMUNICATIONが稼動中です。 武装神姫BATTLE COMMUNICATION ミッションをクリアし、武装や経験値を得て神姫を強化させていくソーシャルゲーム(RPG) ※詳細は武装神姫公式サイト・SNSの項目を参照して下さい。 その他「神姫NET」名義でWindowsPC向けオンライン専用の下記二タイトルがありました。 しかし、惜しまれつつも2011年10月末に全てのサービスを終了しました。 双方ともWindowsOSを搭載し、ある程度の3D表示性能を持ったPCとオンライン環境、KONAMI IDがあれば遊べました。 武装神姫BATTLE RONDO 神姫のAIを育成し、AI同士を戦わせることができるバトルシミュレーション 武装神姫ジオラマスタジオ 3Dモデルの神姫に自由に装備やポーズをつけて背景に設置し、バーチャルジオラマを作成できる3Dデータサービス ※詳細は武装神姫公式サイト・神姫ネットの項目を参照して下さい。 Q 登場する神姫の数は? A 天使型アーンヴァルMk.2、悪魔型ストラーフMk.2、犬型ハウリン、猫型マオチャオ HST型アーク、HMT型イーダ、火器型ゼルノグラード 戦乙女型アルトレーネ、戦乙女型アルトアイネス、忍者型フブキ 以上の10体が、パッケージ(追加コンテンツなし)の状態で登場します。 武装パーツのみであれば上記の10体以外も登場します。 Q 俺の好きな神姫が出てないんだが? A 上記以外の神姫はDLCでの配信が予定されています。→DLC情報 それでも登場しない神姫がいる場合、次回作「武装神姫 BATTLE MASTERS MK.2」を参照してみるといいかもしれません。 ゲーム本編 Q ○○に勝てないよ! A とりあえず初心者向けページを見てみましょう。 希望の対神姫戦が無ければ、現状では更新待ちです。 Q ○○が装備できないんだけど?コスト制限もきついよ? A 貴方と神姫が育んだ愛が装備を可能にします。 詳しくはLOVE・COST・武装ランクを見てください。 Q ○○が入荷したのに売ってないよ? A +XX(英語2文字) が名前の後ろにつくパーツはプレミアムショップに入荷されます。 Q △△のパーツどこ?レールアクション揃わないよ? A ゲームセンターでも公式大会でも、対象のパーツ(レールアクション)を持っている神姫に勝てば、一定確率でショップに追加されます。何回やっても落とさない場合は、そのライバルは落とさないので別のライバルを探しましょう。 Q 手持ちのパーツが少なくて同時育成が難しいです。 A パーツは1個でも所持していれば全神姫に装備させることができます。 Q 武装エディットの登録データが消えるんだけど? A 何らかの理由でデータ内に含まれる武装が失われた場合、登録データも消滅します。 Q 武装エディットで総合アビリティ一覧があったら便利なのに。 A あります。装備エディット中はいつでも△ボタンでその時点での装備武装・アビリティ・レールアクションが閲覧可能(△押して画面変更) です。なお、装備選択中にRorLボタンで各装備の解説及び能力閲覧となります。 Q 一回しか攻撃できない武器があるんだけど。 A +IR、+GRの格闘武器はコンボタイミングがシビアなので、連打ではコンボがつながりません。諦めるかトレーニングで練習しましょう。 Q ハンディキャップ戦が難しすぎる。 A 基本はLOVEを上げてから再戦しましょう。戦わないと一定期間で消える場合があるので 勝てないと思っても取り合えず戦っておきましょう。初心者向けページを参考にしてください。 Q LOVE上げの効率のいいところはどこ? A F3ならリリス、F2ならタッグバトル、ゴスロリ装備を持っているならアリス・リデル杯等です。ライドレシオMAXでボーナスがあるため、CHAなど装備や戦い方を意識しましょう。後は柴田勝に威力の弱い機関銃持って行って、ガードさせて何回かライドレシオMAXにすると楽。4回か5回で1000近く行くはず。 LOVE15以上ならコスプレ大会でガトリング主体で戦えば1試合につき900~1000、ゲームセンターの閃光魔女&シャイナを相手にCHR重視装備+ガトリング主体で普通に勝つだけで1000~1300稼ぐことができます。 Q F1行くための公式戦でないんだけど?/ファイアーバースト杯出ないんだけど? A 狙撃スター・タッグマッチを攻略してください。 とりあえずゲーセンを適当に倒すと①~④の予選が出ます。 その後、タッグマッチと狙撃タッグを終わらせると狙撃スターが出て、さらにスターライン杯をやるとファイアバースト杯が出ます。 その時点で一旦ヴァルハラ行くとF1出場権獲得予選が出ます。 Q クラブ ヴァルハラ?裏バトル?やっていいの? A 「敗者の武装が、勝者の賞品となります。積極的に奪い取り、武装強化を目指しましょう。」 ロード中のTIPSでこう語られている通り、シナリオ進行に悪影響を与えることはありません。 強力な武装や、神姫固有のレールアクションを賞品にしてくれるオーナーもいるので、 上記の通り自分の武装が奪われることを承知のうえ、腕に自信があるならどうぞ。 また、上記のとおりF1予選を出す条件になっているので、1度は行く必要があります。 Q ランク5の装備はどこで集めればいいの? A クリア前ならヴァルハラかF1で頑張ってください。 クリア後はヴァルハラと公式大会にランク5の装備持ちが大量に出てくるので、それで稼げます。 完勝してSを取ると確率が上がるという都市伝説もあります。 ただし、神姫固有RAに必要な武器は累計500戦+公式の対象神姫限定大会をクリアすることでプレミア販売されるようです。 Q F1チャンピオンやヴァルハラのハーデスのRAの入手方法は? A 称号取得率100%で入手できます。 ただし、称号「ヘッドマスター」はDLC第8回の無料カタログをダウンロードしなければ ヘッドパーツ「HS・アネーロ2typeS」が入手できない為、取ることができません。 100%を達成する為にはまず無料カタログをダウンロードしておきましょう。 バトル以外 Q イベントが進まないんだけど。 A ハウリン等、神姫によっては最後にイベントが固まっているので、LOVE17あたりまで進行が遅くても安心してください。また、自宅に戻ることや、ゲーセンバトルに勝つことが条件のこともあります。 Q 同型の神姫って複数持てない?何か駄目とか言われたよ。 A 全Loveイベント制覇で2体以上持てるようになります。 Q 神姫の名前変えたいんだけど。 A ストーリーを進めると出るジャンクショップに売る→買い直すしかありません。 ただし、引き取る神姫のイベントを全部見てないと駄目(見てればLove無関係)。 Q 武器や神姫の色って変更できない?俺のアークも青くしてぇ…。 A 武器は不可、神姫は対象神姫のLoveイベ全部見ると新規購入時に髪の色は変えられます(今持ってる娘は不可)。 Q 神姫って何体まで買えるの? A:所持できる神姫の最大数は同型を含めて全部で29体です。 29体所持して更に買おうとすると、これ以上所持できないという表示がでます。 なお、称号は特にないようです。 Q ライバルが上級者すぎるんだけど…。 A 世の中には色々な紳士がいます。CERO Bですから大丈夫です。 Q 主人公って男なの? A 残念ながら男固定です。不満な人は、次回作を出す時には性別を選べるよう、コナミに要望を出しましょう。 Q 主人公や神姫の名前に漢字は使えないの? A 残念ながら使えません。諦めて別の名前を考えてみましょう。 ※DLC第二弾の紗羅檀(素体)を購入した場合は、デフォルトで入力されている「紗」「羅」「檀」の三文字を使用可能。第四弾の蓮華(素体)を購入した場合は、デフォルトで入力されている「蓮」「華」の二文字を使用可能。ただし、順序の変更は不可、又、別型の神姫には使用できません。 Q 神姫が増えてくると名前をつけるのが大変なんだけど…。 A ネット上には名前辞典や命名ジェネレーターを設置したサイトが存在しますので参照してみてはいかがでしょうか。 クリア後 Q 二周目始めたら装備が減ってるんだけど。 A タイトル画面からのEX NEW GAMEはF1制覇時点のデータっぽいです。もし、クリア後に装備を集めていたのならば、もう一度F1を制覇してクリアデータをロードしてください。引き継ぎ内容などはクリア後を参照してください。 対戦関連 Q アドパで対戦できる?kaiは? A kaiはSSIDを変更する必要はありますができるようです。 アドパもできるようです。 専用のスレもあるので確認してください。【PSP】武装神姫_BATTLE_MASTERS Kai&アドパスレ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1882.html
{クリナーレとネメシス} 猛攻撃をなんとか切り抜けながら次のシャッター前まで来る事が出来た。 もうパルカは数え切れない程の人間を殺しているのが少し悲しいが今は躊躇なんかしていられない。 パルカのシャッターと同様にシャッターの横にあるIDカードを通す機械があった。 カードを機械に差し込み引く。 すると赤のランプから緑のランプに変わり、英語で『Three』と書かれているシャッターが徐々に上がっていく。 よし、ここまで同じだ。 「パルカ、敵が来たら早急に排除してくれ。俺はクリナーレを助ける!」 「はい!姉さんを助けてあげて!!」 「まかせろ!」 シャッターが人間が潜れば入れるぐらいまで開くと俺は身をかがめ侵入する。 体勢をたてなおしつつ辺りを見渡すと、これまたパルカと同じ構造になっていた部屋だった。 ど真ん中には大きな試験管があり、そこには一体の武装神姫が。 「クソッ!ここから出せー!!」 怒った表情でバンバン、と試験管の中から暴れる悪魔型の神姫がそこにいた。 クリナーレだ! クリナーレの手足が自由になっているのは何でだろうか? パルカは拘束されていたのに。 あっ! よく見るとパルカと同じ拘束機具は滅茶苦茶に壊されていた。 拘束機具を破壊して外に出ようとしたのか。 相変わらずの暴れっぷりだな。 「クリナーレ!」 「あ、おい!ここから…て、アニキじゃん!?なんでここに!!」 「助けに来たんだよ!今すぐ出してやるからな!!」 俺はコンソールを探すと壁側に大きなコンソールを見つける。 部屋の構造がさっきと同じなのですぐに見つけることができた。 すぐにコンソールにあるキーを入力し試験管のハッチを開けようとした。 「………よし!これで開くはずだ!!」 入力し終わり試験管の方に向く。 けど試験管のハッチは完全に開いておらず、中途半端に開いていた。 しかもかなり狭く。 どうしてだ! 何故開かない!? つーかぁ、なんで中途半端に開いてるんだよ! 俺は不思議に思いながら試験管に近づきハッチを調べる。 …あーなる程な。 「クリナーレ。お前、ハッチにも殴ったり蹴ったりしたろ?」 「え、うん。出れなくて苛々していたから」 「その所為でハッチが歪んで開かなくなっているぞ」 そう。 ハッチはクリナーレの攻撃よって歪み、歪んだ箇所が試験管に引っかかり開かなくなっていたのだ。 なんともまぁ~余計な事をしてくれたもんだぜ。 けどこれではクリナーレを助け出す事が出来ない。 幸いな事は僅かだが隙間が開いてること。 でも神姫サイズでも出入りできないぐらいの開き具合だ。 どうする。 …あっ! 「クリナーレ!今からハッチの隙間に装備品を渡すから試験管の中で装備しろ。装備すればこんな試験管ブチ壊す事ぐらいできるだろ?」 「当たり前じゃん!ボクをなめないでよね!!」 「それじゃあ投げ込むぞ!それっ!!」 ウェポン、アーマー、リアの順にハッチの隙間に投げ込む。 よし、これで全部入ったな。 後はクリナーレが装備し終わるまで待つだけだ! 一息ついてシャッター前で戦っているパルカの方を見る。 「はぁ、はぁ…。クッ、このー!」 パルカの奴は息切れする程に体力を消耗していた。 マズイ! このままではパルカがそのうち力尽きてヤられてしまう。 俺も参戦しないと! 勢い良く走り、パルカの元に駆けつけ、シャッターから飛び出しと同時にスライディングし死体から銃を奪い応戦した。 「お兄ちゃん!?」 「お前だけに闘わせる訳にはいかないんだよ!」 俺は体勢をたてなおし、銃を構え敵に発砲する。 すると銃の弾によって一人の人間が死んだ。 本来なら人間を殺した事によって道徳感を感じてしまうが…それがどうした! もう俺は数人の人間をブッ殺しているんだ。 一人殺そうが十人殺そうが同じ事、罪は軽くならない。 殺人鬼と呼ばれても構わない。 「クタバレー!」 「奔る!」 <ルケーレ> 俺の銃とパルカの銀の矢によって次々にVIS社の研究員や警備隊が死んでいく。 攻撃を受けた人間は血や内臓も飛び出したり、脳漿が吹き飛び壁や廊下に飛び散る。 これが殺し合いか…。 とてもイイ気分になれない。 けどあのシャドウ・アンジェラスは喜んで殺しまくっていた。 狂喜な表情しながら殺していくあの顔は絶対忘れはしない。 「まったく、やってらんねぇーぜ…」 カチカチ あ、弾が切れた。 さてどうしようか。 このままではパルカのお荷物になってしまう。 もう俺がバックアップできる事はないのか? 「アニキッ!準備万端だよ!!」 「! クリナーレ、やっと終ったか!!」 シャッター前に居たクリナーレがガッツポーズみたいな格好で俺を見ていた。 丁度いいぜ! これでパルカのバックアップができる。 俺はネメシスのネックレスを取り出し、クリナーレに投げつけた。 「よっと!久しぶりーネメシス!!」 <よ~っ!会えて嬉しいぜ我が主!!> 華麗に右手でネメシスを受け取るクリナーレ。 ネメシスもクリナーレに久々に会えたので嬉しいみたいだ。 やっぱり自分のパートナーがいる事は嬉しいのかな? 「久しぶりに暴れるね!」 <おうっ!一発デカイのお見舞いしようぜ!!> 「うん!クラエッ!!グラビティーフォトンブレイク!!!」 <グラビティーフォトンブレイク!> ネメシスに溜めたグラビティーエネルギーを敵に投げつけた。 そして敵の方に向かったグラビティーエネルギーが爆発した! ドカーン、という爆発音とともに敵の人間達は四方八方に吹き飛ぶ。 後に残るのは人間だったモノ、内臓や腕や足だけが廊下に残り転がっていた。 武装神姫と違ってグロテスク過ぎる。 本来、武装神姫に対する攻撃だが、人間にも有効だとはな。 パルカ同様、これでクリナーレも殺人者か。 でも悔やんでいられない。 残り助け出すのは二人! アンジェラスとルーナだ。 今度はクリナーレが先導しながら攻撃し、俺とパルカは追った。 次のシャッター何処だ! 「(c) 2006 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.当コンテンツの再利用(再転載、再配布など)は禁止しています。」